スマートロックの中には、スマートフォンだけでなく、ICカード・暗証番号・指紋認証・リモコンなど、複数の方法で施錠・解錠できる「マルチデバイス対応タイプ」があります。家族やスタッフ、来訪者など、さまざまな人が出入りする環境でも使いやすく、バックアップ手段も確保しやすいことから、近年注目を集めているタイプです。ここでは、マルチデバイス対応のメリット・デメリットと、おすすめの利用シーン、代表的な製品をご紹介します。
スマホアプリ、ICカード、暗証番号、指紋認証など、複数の施錠・解錠手段に対応しているため、利用者の属性や利用シーンに合わせて最適な方法を選べる点が大きなメリットです。スマホ操作が苦手な高齢者にはICカードを、子どもには暗証番号を、スタッフにはアプリを、といった形で柔軟に使い分けができます。
スマートフォンの電池切れや紛失、ICカードの置き忘れ、暗証番号の失念などが起きても、別の解錠方法を使って入室できる点もマルチデバイスタイプならでは。「1つの鍵に頼り切らない」運用がしやすく、締め出しリスクの軽減につながります。
ICカードは社員証として、暗証番号は清掃スタッフ用に、スマホアプリは管理者用に、といった形で、立場や役割に応じて権限や解錠方法を分けられるのもメリットです。ワンタイムパスワードや期間限定のコード発行、履歴管理などの機能と組み合わせることで、法人や施設でも柔軟な運用ポリシーを組み立てやすくなります。
解錠方法が増えるほど、「誰にどの方法を付与しているか」「どの権限をいつまで有効にするか」といった管理項目が多くなります。運用ルールが曖昧なまま導入してしまうと、使い方が人によってバラバラになったり、権限の削除漏れが発生したりするリスクもあります。
マルチデバイス対応のスマートロックは、単一機能の製品と比べると本体価格が高くなりがちです。また、暗証番号用のキーパッドやカードリーダー、ゲートウェイなどオプション機器を組み合わせる構成になるケースも多く、導入コストが膨らみやすい点はデメリットといえます。
解錠手段が増えるということは、それだけ「入口」が増えるということでもあります。弱い暗証番号を使い回していたり、退去者のカードを無効化し忘れていたりすると、せっかくのマルチデバイス対応がセキュリティリスクにつながる可能性があります。導入時に運用ルールをきちんと決めておくことが重要です。
マルチデバイス対応タイプは、さまざまな人が出入りする場所や、予備の解錠手段をしっかり確保しておきたい場所におすすめです。例えば、家族構成や働き方に合わせて、次のような場面で活用できます。
このように、利用者のITリテラシーや役割がバラバラな環境でも、それぞれに合った解錠方法を用意しつつ、管理は一元化できるのがマルチデバイス対応タイプの強みです。
なお、このサイトでは、導入する施設に合わせて、おすすめのスマートロックメーカーを厳選して紹介しています。併せて参考にしてください。
民泊や簡易宿所、レンタルスペースなど、小規模施設での無人運営・省人化を想定して設計されたスマートロックです。暗証番号に加えて、ICカード、RFタグ、おサイフケータイ、Web管理ツール、クラウド管理、物理キーなど、多彩な解錠・管理方法に対応しています。
予約情報と連動した暗証番号の自動発行や入室ログ管理など、宿泊・レンタルビジネスに役立つ機能も豊富。IP65相当の防水・防塵仕様により、屋外に面したドアでも利用しやすいのが特徴です。
1~3室程度の民泊施設やマンスリーマンション、貸し会議室、レンタルスペースなど、「人が常駐しない施設の鍵管理」を効率化したいケースで多く導入されています。清掃スタッフやオーナー用、ゲスト用など、利用者ごとに解錠手段を分ける運用もしやすい製品です。
| 取付方法 | ドアへの穴開け不要のネジ固定式(後付け可能) |
|---|---|
| ドアタイプ | 片開きドア(対応ドア厚33~50㎜) |
| 施錠・解錠方法 | 暗証番号、ICカード、RFタグ、おサイフケータイ、Web管理ツール、クラウド、物理キー |
| 使用電源 | アルカリ電池(単三電池×4本) |
| 使用可能温度範囲 | -20℃~50℃ |
※自分で設置する場合は本体代のみですが、取り付け工事を依頼する場合は別途工事費が発生します。
Qrio Lockは、工事不要で後付けできるスマートロックです。専用スマホアプリによる解錠に加え、別売の「Qrio Pad」や「Qrio Card」を組み合わせることで、ICカードや暗証番号での解錠にも対応できるマルチデバイス対応システムになります。
オートロック、ハンズフリー解錠、Apple Watch対応※など、日常使いしやすい機能が充実している点も魅力です。家族単位での利用はもちろん、在宅勤務が増えた家庭での出入り管理にも適しています。
戸建住宅やマンションの玄関ドアに後付けするケースが多く、スマホに慣れた家族はアプリで、高齢の家族や子どもはQrio Cardや暗証番号で解錠するなど、世代や使い勝手に応じた運用が可能です。また、賃貸物件での退去時にも原状回復しやすい点も評価されています。
| 取付方法 | 両面テープでの貼り付け(工事不要) |
|---|---|
| ドアタイプ | さまざまなサムターン形状に対応(取付可否は公式ガイドで要確認) |
| 施錠・解錠方法 | スマートフォンアプリ、Qrio Pad(ICカード/暗証番号)、物理鍵 |
| 使用電源 | リチウム電池(CR123A)など |
| 使用可能温度範囲 | 公式HPに記載ありませんでした |
ライナフと、鍵・錠前メーカーとして知られる美和ロックが共同開発した住宅向けスマートロックです。SuicaなどのICカード、専用スマートフォンアプリ、暗証番号、さらに物理鍵にも対応しており、1台で「マルチデバイス対応」の運用を実現できます。
オートロックやタイマーオートロック、詳細な権限設定、開閉履歴の確認など、物件管理に便利な機能も多数搭載。防水性能や低温環境への対応など、屋外設置も考慮された設計になっています。
賃貸マンション・アパート、戸建て住宅、民泊物件など、「入居前後の鍵管理を効率化したい住宅施設」で多く採用されているタイプです。ICカード・暗証番号・スマホアプリを使い分けられるため、入居者・オーナー・管理会社・清掃業者など、立場ごとに異なる解錠方法を割り当てる使い方がしやすくなっています。
| 取付方法 | 既存サムターンに後付け(扉の追加工なし) |
|---|---|
| ドアタイプ | 扉厚33~50㎜の開き戸(適用錠前は要確認) |
| 施錠・解錠方法 | スマートフォンアプリ、ICカード(FeliCa/Mifare)、暗証番号、物理鍵 |
| 使用電源 | 単三アルカリ電池またはリチウム電池×4本(ダブルロック時は8本) |
| 使用可能温度範囲 | 0℃~50℃(アルカリ電池)/-20℃~50℃(リチウム電池) |
特別な工具や大掛かりな加工なしでオートロック化できるモバイルキーシステムです。Felica/MifareなどのICカードに加え、暗証番号、スマートフォン、ワンタイムキーなど、複数の解錠方法に対応しています。既存のシリンダーを活かしつつ、鍵の受け渡しをデジタル化したいケースに向いています。
引き戸にも設置可能な点も特徴で、玄関ドアの形状を問わず導入しやすい設計です。
戸建住宅や賃貸住宅、オフィスの従業員出入口など、既存の鍵を活かしながら多様な解錠方法を追加したい現場で利用されています。ワンタイムキー機能を使って、一時的な来訪者や工事業者にだけスマホキーを発行するといった使い方も可能です。
| 取付方法 | 無加工でオートロックに対応(詳細な取付方法は要問合せ) |
|---|---|
| ドアタイプ | 開き戸または引き戸(主要なMIWA・GOAL錠前に対応) |
| 施錠・解錠方法 | スマートフォン、ICカード、暗証番号、ワンタイムモバイルキー、物理鍵 |
| 使用電源 | リチウム電池 |
| 使用可能温度範囲 | -20℃~+50℃ |
EPICの「FACEY 25D」は、暗証番号・指紋認証・顔認証・スマートフォンアプリ・ICカード・リモコンなど、1台で非常に多くの解錠方法に対応したマルチデバイス対応スマートロックです。オートロックや履歴管理、不正解錠警報、火災時の自動解錠など、セキュリティ機能も充実しています。
電池で動作するため、電気錠のような電源工事が不要で、既存ドアへの後付けにも対応しやすい点が特徴です。
オフィスや店舗の出入口、賃貸住宅、クリニック、福祉施設など、「複数の認証手段を組み合わせて、セキュリティと利便性を両立したい」現場に適しています。指紋や顔認証をメインにしつつ、暗証番号やICカードをバックアップにするなど、運用ポリシーに応じた使い分けが可能です。
| 取付方法 | 後付け(既設の錠ケースを取り外した穴をそのまま利用) |
|---|---|
| ドアタイプ | 開き戸など(対応ドア厚30~45㎜) |
| 施錠・解錠方法 | 暗証番号、指紋認証、顔認証、ICカード、スマートフォンアプリ、リモコン |
| 使用電源 | 単三アルカリ電池×8本(非常用USB給電対応) |
| 使用可能温度範囲 | 0~50℃(氷結・結露のないこと) |



※上記はすべて税込記載です。
※0 2022年~2024年の3年連続で民泊・簡易宿所売上 シェアNo.1。参照元:LINKEY Plus公式HP(https://www.linkey-lock.com/minpaku/)
※1 参照元:Akerun 公式HP(https://akerun.com/entry_and_exit/)
※2 賃貸不動産業界の契約先管理戸数No.1。参照元:OPELO 公式HP(https://opelo.jp/)、(株)全国賃貸住宅新聞社「2023年賃貸住宅管理戸数ランキング」をもとに OPELO が調査
※3 オプションとなります。